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2014年11月11日

”ガラスの街とやま”へ

ガラスの街づくりに取り組む、富山市へ出かけてきました。11月初旬に訪れた富山は、紅葉が見ごろの時期で、晴天にも恵まれ、とてもとても気持ちの良い場所でした。withartで2012年の10月に、space SYMBIOSISで企画した展覧会“CURRENT”にも出展いただいたガラス作家の小路口力恵さんに、富山ガラス工房をご案内いただきました。

小路口屋
アトリエ 小路口屋 

富山市は、「ガラスの街とやま」と呼ばれており、ガラスをテーマとした街づくりを進めています。ガラスの街を発信する“富山ガラス工房”は、ガラス造形研究所、設備が整ったレンタル工房、研究所の卒業生も入所しているアトリエ施設が隣接しています。小路口さんは、この研究所を卒業され、工房を使用しながら、隣接しているアトリエで制作されている、まさにこの場所から生まれた作家です。

富山ガラス工房
富山ガラス工房

ガラス造形研究所
ガラス造形研究所

周囲の環境は、木々に囲まれたとても美しい景色が広がっていて、制作にゆったりと向き合えるような空間でした。ガラス制作を続けていくには、設備を整えるだけでも、膨大な資金がかかります。一番費用がかかるのは、ガラスを溶かす熔解窯。窯は、一度火を入れると止めることができません。火を灯し続ける燃料は、費用がかかります。窯を持ちながら、ガラス制作を続けていくことは、非常に大変なことです。

しかしながら、この研究所には、卒業後も使用できるレンタル工房が整備されていて、また隣接するアトリエも借りることができます。ただ技術を教えるだけではなく、作家を育てていく取り組みに、非常に感心しました。来年の8月には、富山市ガラス美術館も完成する予定で、さらなる発展が期待できます。

富山から金沢へも足を運び、ひがし茶屋街を散策したり、兼六園や金沢21世紀美術館、その他漆や金箔の作品を観て回りました。北海道にはない歴史や文化に触れ、食や人、景色にいたるまで、全く異なる世界を見てきました。この場所で、この環境だからこそ生まれる作品があり、今すぐに生まれる感覚ではないのだと思いました。

これからも、北海道を拠点に様々な作り手たちの作品を観る機会、知る機会を作っていきたいと思いますが、改めて道外の作家の作品も紹介することに、意義を感じた旅でした。