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2014年1月31日

子どものための美術展


苫小牧市美術博物館で開催されている「子どものための美術展」に行ってきました。
昨年の7月に、博物館から美術博物館として生まれ変わり、苫小牧市に初めて作られた美術館です。
北海道を拠点に活動する金属造形作家の藤沢レオさん、彫刻家の徳田幸次郎さん、画家の河野健さんの、3人の作家による展覧会です。

フライヤーを手にした時から親子で出かけるのを楽しみにしていた展覧会でしたが、大人にも、子どもにも、心に響く展覧会でした。スタンプラリーなどの何か仕掛けがあるわけでもなく、子どものために制作された作品でもなく、ただ純粋に、「作品」を観る展覧会でした。
しゃがんで観たり、寝そべって観ることもできるように絨毯が敷かれていたり。
「こんな所から作品を観てみたら?」と会場のスタッフの方が導いてくださったり。
時間をかけて作品と向き合い、自身と向き合い、その心と向き合うような、ゆったりと作品を鑑賞できる展覧会でした。

以前に、絵画作品を制作する作家さんが、「作品と長い時間向き合うことで、様々なことが見えてくる。ぜひ一秒でも長く、作品と向き合ってほしい」と話されていたことを思い出しました。スタンプラリーのような仕掛けではなく、そんな作家の思いをくみ取る“しかけ”が感じられました。

関連イベントとしてワークショップなども開催されていますが、そのワークショップで制作された作品も、会場に展示されていました。その作品たちが、すばらしいのです!自分で考えた物語の表紙を作るワークショップですが、子どもたちの創造力の深さに、感心させられました。

親子でももちろん、ゆったりと作品に向き合える素敵な展覧会です。会期は、2月16日まで。苫小牧に生まれた新しい美術館に、ぜひお出かけください。

子どものための美術展
あなたのものがたり、わたしのものがたり

苫小牧市美術博物館
2014年1月11日(土)- 2月16日(日)
招待作家 藤沢 レオ・徳田 幸次郎・河野 健

9:30 – 17:00 (展示室への入場は16:30まで)
休館日/月曜日
観覧料/一般 300円、大・高校生:200円 小中学生:無料



2014年1月23日

アトリエ草つ月にて

今年の6月に開催を予定している、「空中庭園」展の打ち合わせで、 盆栽のアトリエ「草つ月」さんを訪れました。

「草つ月」は、岩見沢にある盆栽作家・君島信博さんのアトリエです。日本家屋を改装したアトリエは、まるでアンティークショップに訪れたような、素敵な空間でした。

玄関には、様々な花器に活けられた盆栽が展示されています。真冬でも、生き生きとした苔の美しい緑色に感激しました。君島さんの苔盆栽は、本当に様々な表情を見せてくれます。シャープな器や、ぽってりとした可愛らしい器とのコラボレーションや、植える植物によっても全く違う表情を楽しませてくれます。

6月に開催する「空中庭園」では、築50年の倉庫を改装したカフェの屋根裏空間で、
 建築家の赤坂真一郎さんによる空間構成のもと、「草つ月」の君島さんの苔と、渡邊希さんの漆作品による架空の庭園を創ります。

庭園は、日常生活の中で、人と自然が接点を持てる身近な空間であると同時に、 観賞に値する芸術的な世界感を表現しています。 日常の空間の中で、機能性が求められない場所であり、 機能では語ることができない非日常の空間である風景が、屋根裏に空間に広がり、 そこにしかない、外にはない景色が目の前に広がる、その異次元空間を体験するような展覧会を創りだすことができたらと考えています。

漆の鏡面塗膜を池に見立て、そこに映り込む表層の世界から、 観るものと観られるもの、 自然と人工、 日常と非日常、 観る人それぞれの感覚によって働きかける境界線を意識して、作品の中に入り込む世界、その非日常の景色を、観る人たちそれぞれが、各々のイメージで広げてほしいと思い企画した展覧会です。

詳細は、New Exhibitionのページでも、ご案内する予定です。

The hanging garden 空中庭園
赤坂 真一郎(建築) × 君島 信博(盆栽) × 渡邊 希(漆)
MORIHICO Plantation 札幌市白石区菊水8条2丁目1-32
2014年6月6日(金)- 15日(日)水曜定休 
11:00 – 18:00