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2014年6月18日

空中庭園展が終了しました

MORIHICO Plantationで企画させていただいた「空中庭園 The Hanging Garden」、
無事に会期を終えることができました。
あいにくの雨模様の中、多くの方にご来場いただきました。
ありがとうございました。

札幌では珍しい、まるで梅雨のようなお天気でしたが、雨音も効果音に感じるほど、雨が空気を潤し、今回の空間に似合っていたように思います。

hanging garden

Plantationでの2回目の企画展でしたが、会場が持つ築50年の倉庫に流れる空気の存在感の大きさを改めて感じました。50年という長い時を経て、鉄骨が錆び、黒ずみ、新しい建物には作ることができない表情がそこにありました。

今回の企画は、渡邊希さんが制作した漆黒の大きな造形作品“skin”がきっかけとなりました。「人と環境を吸い込み、表層に様々な世界を創りだす」という作品のコンセプトから、“skin”を池の水面に見立て、倉庫の屋根裏に庭園を創ることができないかと考えました。その水面に映る自然物として、盆栽作家による苔の表現を配置し、三方向にある窓から入り込む光を捉え、漆黒の表層がどのように変化するか、眺めてみたいと思いました。盆栽作家でありながら、様々な表現を試みる君島信博さんに、また新しい苔の表現を見せていただきました。

空間構成については、アートイベントにも多く関わる建築家の赤坂真一郎さんに依頼しました。以前から、住宅の設計を主に手掛けながら、アートにも関心が高い赤坂さんの感覚が気になっていたのですが、漆の天板と苔の表現で起伏を作り、幾何学的なアプローチで考えていただいた構成は、それぞれの作品と空間が共生し、心地良い空間が生まれていたと思います。

会場がカフェの屋根裏であることから、ギャラリーや美術館とは異なる様々な方たちに、作品を観ていただくことができました。来場者の方と色々なお話ができるのも、この空間の魅力の一つです。 今後も、様々な場所で、様々な視点から作品を捉え、観る機会を創っていきたいと思いますので、気軽に足を運んでいただけたら幸いです。

ご来場いただいた方々、毎日気持ちよく協力いただいたPlantationのスタッフの方々、本当にありがとうございました。