notes
2013年5月20日
鼓動する日本画
札幌のモエレ沼公園で開催されていた「鼓動する日本画」展を観に行ってきました。
最終日の今日、ようやく訪れた春の日差しを求め、モエレ沼公園は多くの人で賑わっていました。
withartで今年の9月に企画している展覧会にも出展いただく、画家の朝地信介さんのお話を
少しご紹介したいと思います。
*ギャラリートークで作品の説明をする朝地信介さん
朝地さんは、日本画の伝統的な技法を守りながら、表面に木や布をコラージュしたり、観賞者が入り安い表現を試み、どうやって敷居を少しでも下げることができるか、様々なことを考え表現されている方です。
今回出展された「沸き立つ静寂」という作品は、縦227cm×横486cmもの大きな作品で、表面に木や布、マスキングテープなど様々な身近な素材がコラージュされていました。
昔から、足元に落ちている石や木っ端など、小さなものに惹かれていたそうで、身近に落ちている小さな世界を描かれています。ここ最近は、もっと小さな物体、細菌や微生物、あるいは分子や原子といった目には見えなくても、確実にそこに存在しているものにも興味があり、その目には見えない存在にキャラクター性を与え、画面が作られています。
「これなら私にも描けそうだわ。」
そんな来場者の声を聞いて、「よし!」と思われることもあるそう。
日本画にもこんな表現があるんだなと、より身近に感じさせてくれる作品ではないでしょうか。
日本画を初めて目にする人にとっても、肩の力を抜いて向き合えるような、自分もその景色のなかに浮遊しているような気持ちにさせてくれる作品だと思います。
「鼓動する日本画」展は、岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館と、木田金次郎美術館へと巡回します。全く異なる表現をされている5人5様の見ごたえのある日本画展。ぜひ、多くの人に観て、感じていただきたい展覧会です。
岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館
2013.5.23(木)‐6.15(土)
北海道岩見沢市7条西1丁目
TEL:0126-23-8700
木田金次郎生誕120年記念
木田金次郎美術館
2013.6.18(火)- 7.15(月)
北海道岩内郡岩内町万代51-3
TEL: 0135-63-2221