notes
2015年6月3日
AQUA展終了しました
space SYMBIOSISで企画した「AQUA」展、多くの方にご来場いただき、無事に会期を終えることができました。
撮影:山岸 せいじ
本展を企画するきっかけになった出来事に、青色について考える機会がありました。“青”という色は、様々な色を放ち、光によって、天気によって、また観る人によって、それぞれが見ている景色が違うように感じます。
見慣れている青信号も、よく見ると緑色ですが、誰もが疑いなく、迷いもなく“青”だと認識しています。みずみずしい芝の色も、エメラルドグリーンのような澄んだ海も、真っ青な空も、日常に溢れている青色は、観る人によって境界線が曖昧で、寛容な色ではないかと思うようになりました。
そこで、通り沿いに面した、大きなガラス越しに作品を眺められるspace SYMBIOSISで、日々の光の変化を受けながら、美しい色彩を放つ作品に焦点を当て、AQUA展を企画しました。
陶芸家の福本双紅さんの作品は、真っ白な磁器に施された美しい釉薬の青色が、光によって日々変化し、目を楽しませてくれました。初夏を感じる温かい日差しを受け、また雨の日も目に優しい色彩を放っていました。夕暮れから夜にかけての表情も、また温かく、まるで景色を眺めているような感覚にとらわれ、改めて作品の美しさを感じさせてくれました。
撮影:山岸 せいじ
画家の久野志乃さんの油彩画は、AQUA展へ向けて描き下ろしてくださった6点の作品を出品していただきました。久野さんにとって、青色は水の色だそうです。
「個人的な記憶を絵のモチーフとしてから、意識的に水を描くようになりました。 記憶は固定された過去ではなく、他者を介して、あるいは長い時間を経て変化していくものである、と考えはじめてから記憶のもつ流動性と常に遷りかわる水の性質と色とが分かち難くつながっていきました。」とのこと。
キャンバスに幾重にも重ねられた筆触が創り出すみずみずしい青色の世界に、多くの来場者が魅了されました。
ご来場いただいた皆様、そして素晴らしい作品を出品いただいたお二人、福本双紅さん、久野志乃さん、企画の機会を与えていただいた会場のspace SYMBIOSISに、心から感謝いたします。本当に、ありがとうございました。 展覧会の記録写真や、アーティストトークについても、HP上に掲載いたしますので、ぜひご覧ください。