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2012年10月8日

CURRENT

space SYMBIOSISで企画させていただいた「CURRENT」が始まりました。
素材もジャンルも違う3人の作品が、互いに呼応し、響き合い、ひとつの空気が生まれました。

工芸家の武田享恵さんの作品は、アルミで制作したオブジェと、金属がより身近に感じられるような折敷や器など、実用的な作品を展開しています。冷たい、固いと思われがちな金属のイメージを変えることができたらと、そんな想いを形にした作品は、柔らかい、温かな表情を見せています。

ガラス作家の小路口力恵さんは、北海道で初めて発表される作家で、真っ白なガラスそのものの色を生かした作品です。吹きガラスに、さらに手で削ったり、磨いたり、手仕事を肌で感じられる作品で、タイトルの“ふくら”のとおり、ふっくらとした、側にあるだけで幸せな気持ちにさせてくれます。

国松紗智子さんのドローイングの作品は、子育てをしながら、お腹に新しい命が宿りながら制作された作品です。今までの手法とは異なり、新しい試みで制作されたラインは、観る角度や光の表情によって変化し、まさにそこに流れる空気を感じられるような作品です。展覧会の初日に、無事に女の子をご出産されました。

会期中に、作家が制作した茶道具を使用し、ミニお茶会も開催しました。武田享恵さんが制作した茶釜、建水、茶杓、菓子器。お茶碗は、武田さんの錫で制作された茶碗と、小路口さんが制作したガラスの器でいただきました。この釜は、IHヒーターで使用することができるアルミの釜で、熱を通すために、鉄板を敷いています。かしこまらずに、珈琲を飲むような感覚でお茶が楽しめ、来場者との話にも花が咲きます。

会期は、10月29日(月)まで。ぜひ、多くの方に観て、体感していただきたい展覧会です。