Japanese
English
Past exhibition
- in and around – 事物とその周辺
- 2020.11.7 Sat - 11.12 Thu
- 11:00 - 19:00
- CONTEXT-S
- GALLERY WEB
- 札幌市中央区南21条西8丁目2-10
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日々の暮らしの中から着想を得て生まれる絵画
事物の多層性を可視化する写真や映像
二人の作品が空間を象り、余白が顕れる
様々な時を内包した空間、“CONTEXT-S”を舞台に
作品が綾なす時を、ぜひご高覧ください。
DMデザイン:drop around
撮影:山岸 靖司
作家紹介 artist introduction
- Visual Artist
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北川 陽稔
Akiyoshi KITAGAWA
札幌生まれ。東京にて映像作家として活動し、短編映画の制作等を行う。作品はアンディ・ウォーホルやガス・ヴァン・サントを輩出した映画祭において選考上映され、国内映画祭にて入賞。
ランドスケープや植物をモチーフに、人が向き合う環境の多層性・多様性を表現する作品を制作する。
また、haptics Inc. 代表としてコマーシャル映像、インスタレーションやARコンテンツ等も手掛ける。 - http://akiyoshikitagawa.com/
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「brocken」
わたしの目の前に広がる光景は、人や建造物、あるいは岩盤や樹木のライフタイムが折り重なって構成 されたものである。
また、前者は後者よりも遥かに短いサイクルで存在している。
それらを一枚のネガに焼き重ねると、その写真は個々の対象の時間には属さず、同時に全ての対象の時間に属するものとなる。
ブロッケン現象とは、霧や雲がスクリーンとなって人物の影が投影された像である。高山などの特異な 環境で発現することから、そこに映る影は観察者自身のものでありながら、神や妖精のような他者性を 帯びて表現されることがある。それは写真に写り込んだ撮影者の影と良く似ている。
シルエットや背景の透けた像として刻み込まれた人物は、あらゆる過去にそこにいた者、あるいは遠い 未来にその場所に立つ者を暗示する。
…
展示にあたって、2つの形式を検討した。ひとつのタイプはフォトアクリルで、それはネガに写り込んだ層的なものを透明な板に閉じ込めて結晶化したものということになる。プリントは額装よりも標本の ような展示形式がこのシリーズに適していると考えた。
そしてもうひとつ、撮り始めてから現時点までの主要なシーンを網羅し、且つこの展示の期間だけ閲覧 可能なものを検討した。
何種類もの紙を取り寄せて試作を行い、最終的にその中で最も脆い用紙を選んだ。そうして仕上がった プリントは、波打ち、時として破れ、薄い紙に吸われたインクはそのままでは霞んで見えてしまう。
そこで写真の一枚一枚に、発色と補強のために薬剤の塗布を行った。
刷り上がったものをスタジオの床に並べながら、随分昔、祖父母の家のタンスの中に敷かれていた新聞紙のことをふと思い出していた。
誰にも意識されることなく、そこに長年留まっていた紙片たちは、幼年期のわたしの目に触れた時、 饐えた匂いとともに、わたしが知らない時代の出来事を冷ややかに伝えた。
きっとわたしは今、そこに存在していながら重さのない「本の亡霊」のようなものをつくりたかったのだと思う。
- Painter
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中村 眞弥子
Mayako NAKAMURA
東京生まれ 東京在住の画家。平面作品を中心に国内外で発表。からだの感じる空間のさかいめ・あたまの知っている実在の印象・こころの求めている普遍的なかたちに無数の感覚を重ねながら、もうひとつの日常を描く。ホテルの壁画、装丁、食器、プリントファブリックなど 暮らしに寄り添う作品も幅広く手がけている。
- http://mayakonakamura.jp/
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ある絵がうまれるとき
北窓。真っ白な下地。
和紙に水が染みていく。
こころに墨が戯れる。
油絵の具。銀箔。色鉛筆。
漉き模様に光が導かれて。
重なってゆく 時間。つながり。
重なろうとする 素材。うつろい。
光と空気を 解き放ったり 封じ込めたり。
さかいめをなぞる。
小さな歴史を歩く。
砂時計。壺。ドライフラワー。
珊瑚。貝殻。シーグラス。
木の実。鉱物。ガラス瓶。
蝶々。葉っぱ。紙ひこうき。
時をかたどるもの。
わたしの好きなもの。
わたしも知らない秘密。
名を呼んで。その名を消す。
素材が絵になるとき。
また言葉が戻ってくる。
- in and around
- Sat. 7th Nov. - Thu 12th Nov. 2020
- AM 11:00 - PM 7:00
- CONTEXT-S
- GALLERY WEB
- South 21, West 8, 2-10, Chuo-ku, Sapporo
作家紹介 artist introduction
- Visual Artist
- Akiyoshi KITAGAWA
- http://akiyoshikitagawa.com/
- Painter
- Mayako NAKAMURA
- http://mayakonakamura.jp/